Team:Chiba/Project/j

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(Controlling the Delay time of the AHL signaling)
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LuxIのつくるAHLに対して、感度差による応答時間差は、2つの方法で実現することができる。
LuxIのつくるAHLに対して、感度差による応答時間差は、2つの方法で実現することができる。
#LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる<br>LuxRの変異体を用いれば、pluxがonになるAHL濃度が<1nMから~10nMまで変化する。[http://authors.library.caltech.edu/5553/ C. H. Collins.''et al''.Mol.Microbiol.2005.'''55'''(3).712–723]
#LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる<br>LuxRの変異体を用いれば、pluxがonになるAHL濃度が<1nMから~10nMまで変化する。[http://authors.library.caltech.edu/5553/ C. H. Collins.''et al''.Mol.Microbiol.2005.'''55'''(3).712–723]
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#クロストークを使う(その1)<br>AHL=Acyl-homoserine Lactoneには、そのアシル基が異なる種類がある。luxIが合成するAHLは、3-oxo-hyxanoyl-Homoserine Lactone (=OHHL)であり、3-oxo-dodecanoyl-homoserine Lactone(=ODHL)や、butyryl-homoserine Lactone(=HHL)が存在する。それぞれ、合成酵素はLasI、RhlI(ともにシュードモナス由来)と呼ばれる。このほかのAHL分子と、その合成酵素を以下に示した。これらのAHL分子は、アシル基のみが異なるため、一定の割合でLuxRと相互作用する(cross-talkする)。たとえば、OdHLとLuxRとのcross-talk(LasI-LuxR)は、OHHLとLuxRの場合(LuxI-LuxR)の1/100である[http://www3.interscience.wiley.com/journal/119124142/abstract M.K Winson ''et al.:''FEMS Microbiology Letters(1998)].<br>AHL分子の蓄積速度が一定ならば,luxI-LuxR/Pluxよりも20倍遅くスイッチが入ることとなる。
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#クロストークを使う(その1)<br>AHL=Acyl-homoserine Lactoneには、そのアシル基が異なる種類がある。luxIが合成するAHLは、3-oxo-hyxanoyl-Homoserine Lactone (=OHHL)であり、3-oxo-dodecanoyl-homoserine Lactone(=ODHL)や、butyryl-homoserine Lactone(=HHL)が存在する。それぞれ、合成酵素はLasI、RhlI(ともにシュードモナス由来)と呼ばれる。このほかのAHL分子と、その合成酵素を以下に示した。これらのAHL分子は、アシル基のみが異なるため、一定の割合でLuxRと相互作用する(cross-talkする)。たとえば、OdHLとLuxRとのcross-talk(LasI-LuxR)は、OHHLとLuxRの場合(LuxI-LuxR)の1/100である.[http://www3.interscience.wiley.com/journal/119124142/abstract M.K Winson ''et al.:''FEMS Microbiology Letters(1998)]<br>AHL分子の蓄積速度が一定ならば,luxI-LuxR/Pluxよりも20倍遅くスイッチが入ることとなる。
#クロストーク(その2)-LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる場合-<br>LuxRの変異体を作成すれば、3OC6HSL以外のAHLs(C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSL)でもactiveとなる。[http://www.nature.com/nbt/journal/v24/n6/abs/nbt1209.html C. H. Collins. ''et al''.Nature Biotechnology.'''24''', 708 - 712 (2006)]<br>Fig.2(wild-type LuxR,LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67MのAHLs感受性を評価したグラフ)参照。LuxR変異体(LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67M)を作成しており、これらは3OC6HSL, C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSLによってactiveとなる。
#クロストーク(その2)-LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる場合-<br>LuxRの変異体を作成すれば、3OC6HSL以外のAHLs(C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSL)でもactiveとなる。[http://www.nature.com/nbt/journal/v24/n6/abs/nbt1209.html C. H. Collins. ''et al''.Nature Biotechnology.'''24''', 708 - 712 (2006)]<br>Fig.2(wild-type LuxR,LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67MのAHLs感受性を評価したグラフ)参照。LuxR変異体(LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67M)を作成しており、これらは3OC6HSL, C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSLによってactiveとなる。

Revision as of 08:15, 3 October 2008

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Contents

ゴール

クオラムセンシングによる細胞間コミュニケーションを利用して、入力が存在した時間を測る。すなわち、タイマーを作成する。クオラムセンシングを利用することにより、シグナル分子の蓄積を時間に換算することができ、かつ、それを読み出すことができる。クオラムセンシングの時間スケールを変更することによって、いくつかのタイマーを作成することを目標とする。

description案1

私たちのプロジェクトはE.coli Time Managerを作ることです。  これは,遺伝子発現のタイミングをお好みの時間に設定できるシステムです。例えば,このTime Managerを使うと,研究者の望みの時間になったら目的の遺伝子発現が開始するようにできます。これで研究者達の実験による時間拘束のストレスを解消できるのです!!!

 本システムでは,通信分子であるAHLの濃度依存的に遺伝子発現の起こるクオラムセンシングを応用します。AHLには,アシル基の違いによりさまざまな種類があります。AHL Receiverは整合するペアとなるAHLと似通った構造のAHLを誤認し,クロストークを起こします。クロストークが起こった場合は,AHLの構造の違いにより,Receiverが認識しにくくなり,下流の遺伝子発現までのAHL濃度の閾値が高くなります。つまり,AHL Reciverと整合するペアとなるAHLと,それとはアシル基の違うAHLを同じ速度で合成した場合とでは,下流の遺伝子発現までにTime Delayが生じると考えました。Time Delayを作り出すことによって,遺伝子発現までの時間を調節しTime manegementを目指します。そこで,様々なTime Delayを作り出すためにAHL SenderとAHL Receiverの組み合わせを変えることを考えています。

description案2

タイトル:E.coli Timing Manager

(1)デジタル回路においては、沢山のスイッチが次々に、そして任意の順番とDelay timeをもって自動起動します。たとえば、データの保存をしたい時であれば、データの出力とデータ保持のスイッチが、適切なタイミングでONになっていなければなりません。遺伝子回路に複雑な仕事をするためには、デジタル回路と同様に、遺伝子が、任意の順番で、かつDelay-timeをもって発現する仕組みを作成しなければなりません。 (シリアルスイッチ)

(2)私たちは、この仕組みを実現するデバイス、E.coli Timing Managerの作成を目指します。

(3,4)任意の順番と、delay-timeをもった遺伝子発現を実現するために、私たちは、バクテリア間の細胞間通信、クオラムセンシングを利用します。クオラムセンシングにおいては、応答閾値を超えるAHLが蓄積されたとき初めて、目的遺伝子の発現がおこります。AHL情報がじゅうぶんゆっくり蓄積するとき、ひとつのAHL送信装置に対して、感度の異なる複数の受信装置によってさまざまな出力装置を独立に起動すれば、感度の高いAHL 受信機ほど先に起動します。

(5)つまり、遺伝子発現が、感度の違いによる順番とDelay-timeを伴って起こるという仕組みが実現されるのです。

任意の順番で自動起動するものリスト-具体例の部分-

  • コンピュータのプログラム(アルゴリズム?)
  • 洗濯機、信号機など。自動起動する仕組みが電子回路で組み込まれている

プロジェクトデザイン

  • クオラムセンシング

特定の入力に曝されたバクテリアは、シグナル分子(AHL:N-Acyl-L-homoserine Lactone)を合成する。シグナル分子が閾値を超えると、レポータータンパク質が発現。入力にさらされていた時間を知らせる、タイマーとなる。

感度差による応答時間の差

任意の順番と、delay-timeをもった遺伝子発現を実現するために、バクテリア間の細胞間通信、クオラムセンシングを利用する。クオラムセンシングでは、応答閾値を超えるAHLが蓄積されたとき初めて、目的遺伝子の発現がおこる。AHL情報がじゅうぶんゆっくり蓄積するとき、ひとつのAHL送信装置に対して、感度の異なる複数の受信装置によってさまざまな出力装置を独立に起動すれば、感度の高いAHL 受信機ほど先に起動する。

Controlling the Delay time of the AHL signaling

LuxIのつくるAHLに対して、感度差による応答時間差は、2つの方法で実現することができる。

  1. LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる
    LuxRの変異体を用いれば、pluxがonになるAHL濃度が<1nMから~10nMまで変化する。C. H. Collins.et al.Mol.Microbiol.2005.55(3).712–723
  2. クロストークを使う(その1)
    AHL=Acyl-homoserine Lactoneには、そのアシル基が異なる種類がある。luxIが合成するAHLは、3-oxo-hyxanoyl-Homoserine Lactone (=OHHL)であり、3-oxo-dodecanoyl-homoserine Lactone(=ODHL)や、butyryl-homoserine Lactone(=HHL)が存在する。それぞれ、合成酵素はLasI、RhlI(ともにシュードモナス由来)と呼ばれる。このほかのAHL分子と、その合成酵素を以下に示した。これらのAHL分子は、アシル基のみが異なるため、一定の割合でLuxRと相互作用する(cross-talkする)。たとえば、OdHLとLuxRとのcross-talk(LasI-LuxR)は、OHHLとLuxRの場合(LuxI-LuxR)の1/100である.M.K Winson et al.:FEMS Microbiology Letters(1998)
    AHL分子の蓄積速度が一定ならば,luxI-LuxR/Pluxよりも20倍遅くスイッチが入ることとなる。
  3. クロストーク(その2)-LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる場合-
    LuxRの変異体を作成すれば、3OC6HSL以外のAHLs(C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSL)でもactiveとなる。C. H. Collins. et al.Nature Biotechnology.24, 708 - 712 (2006)
    Fig.2(wild-type LuxR,LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67MのAHLs感受性を評価したグラフ)参照。LuxR変異体(LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67M)を作成しており、これらは3OC6HSL, C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSLによってactiveとなる。

クオラムセンシングのクロストーク

生物によってAHL(Acyl-L-Homoserine Lactone)のアシル基が異なる(ref.3).
生物ごとのクオラムセンシングについては、ref.9参照.


Strain Signal Molecule Enzyme
P.aeruginosa C4-HSL RhlI
V. fisheri C6-3-oxo-HSL LuxI
A.tumefaciens C8-3-oxo-HSL TraI
P.aeruginosa C10-3-oxo-HSL VanI
P.aeruginosa C12-3-oxo-HSL LasI
R.leguminosarum C14-3-hydroxy-HSL CinI

Construction(From BioBrick)

  • Sender(Autoinducer synthase)
LuxI,LasI,CinI,RhlI(lacプロモーター)
  • Receiver
LuxR,LasR,CinR,RhlR

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