Team:Chiba/Project/j

From 2008.igem.org

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より詳しいプロジェクト内容は[[Team:Chiba/Project|こちらのページ]]に英語で記載されています。
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==アブストラクト==
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delay-timeをもった遺伝子発現を実現するために、バクテリア間の細胞間通信、クオラムセンシングを利用する。クオラムセンシングでは、応答閾値を超えるAHLが蓄積されたとき初めて、目的遺伝子の発現がおこる。AHL情報がじゅうぶんゆっくり蓄積するとき、ひとつのAHL送信装置に対して、感度の異なる複数の受信装置によってさまざまな出力装置を独立に起動すれば、感度の高いAHL 受信機ほど先に起動する。
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=='''プロジェクトオーバービュー'''==
 
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私たちは、複数のシグナル機構を用いることで、遺伝子発現のタイミングを調節する。この調節機構にはquorum sensingという細胞間コミュニケーションの原理を利用する。私たちのプロジェクトでは、Senderが伝達物質(AHL)をつくり、ReceiverはAHLがある一定濃度に達した時、活性化される。これらの送受信装置は由来する生物ごとに特有のセットをなしているが、異種の送受信装置同士もCross-talkすることがわかっている。ただし、Cross-talkによるコミュニケーションは感度が鈍いため、Receiverの活性化が遅くなる。
 
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==プロジェクトデザイン==
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=='''プロジェクトデザイン'''==
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===感度差による応答時間の差===
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[http://en.wikipedia.org/wiki/Water_clock 水時計(wikipedia.en) ]のような働きをする大腸菌をデザインした。Fig.3にその機構を示す。
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delay-timeをもった遺伝子発現を実現するために、バクテリア間の細胞間通信、クオラムセンシングを利用する。クオラムセンシングでは、応答閾値を超えるAHLが蓄積されたとき初めて、目的遺伝子の発現がおこる。AHL情報がじゅうぶんゆっくり蓄積するとき、ひとつのAHL送信装置に対して、感度の異なる複数の受信装置によってさまざまな出力装置を独立に起動すれば、感度の高いAHL 受信機ほど先に起動する。
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=== Controlling the Delay time of the AHL signaling ===
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1. センダーは、シグナル分子を'''ゆっくりと一定の速度で'''合成する。シグナル分子は代謝されない(あるいは現実的な時間スケールであれば事実上代謝されない)ために、ゆっくりと時間をかけて(線形に)蓄積される。
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LuxIのつくるAHLに対して、感度差による応答時間差は、2つの方法で実現することができる。
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#LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる<br>LuxRの変異体を用いれば、pluxがonになるAHL濃度が<1nMから~10nMまで変化する。[http://authors.library.caltech.edu/5553/ C. H. Collins.''et al''.Mol.Microbiol.2005.'''55'''(3).712–723]
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#クロストークを使う(その1)<br>AHL=Acyl-homoserine Lactoneには、そのアシル基が異なる種類がある。luxIが合成するAHLは、3-oxo-hyxanoyl-Homoserine Lactone (=OHHL)であり、3-oxo-dodecanoyl-homoserine Lactone(=ODHL)や、butyryl-homoserine Lactone(=HHL)が存在する。それぞれ、合成酵素はLasI、RhlI(ともにシュードモナス由来)と呼ばれる。このほかのAHL分子と、その合成酵素を以下に示した。これらのAHL分子は、アシル基のみが異なるため、一定の割合でLuxRと相互作用する(cross-talkする)。たとえば、OdHLとLuxRとのcross-talk(LasI-LuxR)は、OHHLとLuxRの場合(LuxI-LuxR)の1/100である.[http://www3.interscience.wiley.com/journal/119124142/abstract M.K Winson ''et al.:''FEMS Microbiology Letters(1998)]<br>AHL分子の蓄積速度が一定ならば,luxI-LuxR/Pluxよりも20倍遅くスイッチが入ることとなる。
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#クロストーク(その2)-LuxR/ Pluxの感度変異体を用いる場合-<br>LuxRの変異体(LuxR-G2E,LuxR-G2E-R67M)を用いると、3OC6HSL以外のAHLs(C10HSL, C6HSL, C8HSL, C12HSL,3OC12HSL)に対しても、receiverが活性化される。[http://www.nature.com/nbt/journal/v24/n6/abs/nbt1209.html C. H. Collins. ''et al''.Nature Biotechnology.'''24''', 708 - 712 (2006)]<br>
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2. レシーバーはシグナル分子の濃度が閾値に達したときに初めて、シグナル分子を感知し遺伝子スイッチを''オン''にする。異なるシグナル分子の場合、遺伝子スイッチは異なる速度で活性化される。システム全体は'''順番を持って起動するスイッチ'''として働く。
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'''Construction'''(From BioBrick)
 
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*[[Team:Chiba/Parts/j|New Parts]]
 
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'''More about Quorum Sensing'''<Br>
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3.レシーバーの感度を変える、またはシグナル分子の蓄積速度を変えることで、スイッチの遅延時間を変えることができる。いくつかの遅延時間を持ったスイッチを使うことで、異なる多数の細胞機能を、順番に活性化することができる.
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*[http://parts.mit.edu/registry/index.php/Featured_Parts:Cell-Cell-Signaling Cell-Cell-Signaling]<Br>
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*[http://www.che.caltech.edu/groups/fha/quorum.html About Quorum sensing]
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===シグナリングシステム===
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本プロジェクトでは、シグナル分子としてアシルホモセリンラクトン(AHL)使用する。センダーは、LuxIあるいは類似の酵素を常時発現する。これら酵素はAHLsの合成を触媒する。すべての細胞はおおよそ一定の速度でAHLを合成する。AHLは細胞膜を透過し、近傍の細胞に感知される。レシーバーはLuxRタンパク質あるいは類似のタンパク質を常時発現する。AHLはLuxRタンパク質と結合し、AHL-LuxR複合体を形成する。この複合体は、Luxプロモーターを活性化する。LuxプロモーターがONになるAHL濃度は、AHLと個々のLuxRタンパク質との親和性により決定される。[[Team:Chiba/Project#References|<sup>(3),(4)</sup>]].
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[[Team:Chiba/about_qs|(more about quorum sensing)]]
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=== 遅延スイッチの作製 ===
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3つの方法がある。
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#シグナル分子の蓄積速度を低下させる
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#レシーバーの感度を低下させる
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#シグナル分子を一部分解する
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'''異種間コミュニケーション!'''
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==実験リスト==
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[[Image:Chiba Igem 3.png|172px|'''Fig.6''' LuxR mutant]]
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[[Image:Chiba Igem 5.png|130px|'''Fig.8''' ]]
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| align="center"| '''[[Team:Chiba/Project/Experiments:Signal Molecule Quencher/j|実験 #1 シグナル分子の部分的な分解]]'''
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| align="center"| '''[[Team:Chiba/Experiments:LuxR_mutant/j|実験 #3 Lux変異体]]'''
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| align="center"| '''[[Team:Chiba/Project/Experiments:Sender_Crosstalk/j|Exp #4 外国人-->日本人]]'''
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| align="center"| '''[[Team:Chiba/Project/Experiments:Receiver_Crosstalk/j|Exp #5 日本人-->外国人]]'''
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*'''Others'''
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**'''[[Team:Chiba/Experiments:Reporter|レポーター]]'''
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**'''[[Team:Chiba/Demo_experiments|デモンストレーション]]'''
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==コンクルージョン==
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!align="center"|[[Team:Chiba/j|ホーム]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Team/j|メンバー紹介]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Team/j|メンバー紹介]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Project/j|プロジェクト紹介]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Project/j|プロジェクト紹介]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Parts/j|作成したDNAパーツ]]
!align="center"|[[Team:Chiba/Parts/j|作成したDNAパーツ]]
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!align="center"|[[Team:Chiba/Modeling/j|モデリング]]
 
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!align="center"|[[Team:Chiba/Internal|ノート]]
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Latest revision as of 12:22, 15 December 2008

Chiba-U.gif

より詳しいプロジェクト内容はこちらのページに英語で記載されています。

Contents

アブストラクト

delay-timeをもった遺伝子発現を実現するために、バクテリア間の細胞間通信、クオラムセンシングを利用する。クオラムセンシングでは、応答閾値を超えるAHLが蓄積されたとき初めて、目的遺伝子の発現がおこる。AHL情報がじゅうぶんゆっくり蓄積するとき、ひとつのAHL送信装置に対して、感度の異なる複数の受信装置によってさまざまな出力装置を独立に起動すれば、感度の高いAHL 受信機ほど先に起動する。


プロジェクトデザイン

Fig. 3 System design

[http://en.wikipedia.org/wiki/Water_clock 水時計(wikipedia.en) ]のような働きをする大腸菌をデザインした。Fig.3にその機構を示す。

1. センダーは、シグナル分子をゆっくりと一定の速度で合成する。シグナル分子は代謝されない(あるいは現実的な時間スケールであれば事実上代謝されない)ために、ゆっくりと時間をかけて(線形に)蓄積される。


2. レシーバーはシグナル分子の濃度が閾値に達したときに初めて、シグナル分子を感知し遺伝子スイッチをオンにする。異なるシグナル分子の場合、遺伝子スイッチは異なる速度で活性化される。システム全体は順番を持って起動するスイッチとして働く。


3.レシーバーの感度を変える、またはシグナル分子の蓄積速度を変えることで、スイッチの遅延時間を変えることができる。いくつかの遅延時間を持ったスイッチを使うことで、異なる多数の細胞機能を、順番に活性化することができる.

シグナリングシステム

本プロジェクトでは、シグナル分子としてアシルホモセリンラクトン(AHL)使用する。センダーは、LuxIあるいは類似の酵素を常時発現する。これら酵素はAHLsの合成を触媒する。すべての細胞はおおよそ一定の速度でAHLを合成する。AHLは細胞膜を透過し、近傍の細胞に感知される。レシーバーはLuxRタンパク質あるいは類似のタンパク質を常時発現する。AHLはLuxRタンパク質と結合し、AHL-LuxR複合体を形成する。この複合体は、Luxプロモーターを活性化する。LuxプロモーターがONになるAHL濃度は、AHLと個々のLuxRタンパク質との親和性により決定される。(3),(4). (more about quorum sensing)



遅延スイッチの作製

3つの方法がある。

  1. シグナル分子の蓄積速度を低下させる
  2. レシーバーの感度を低下させる
  3. シグナル分子を一部分解する


異種間コミュニケーション!

実験リスト

Fig.4 Chiba project design.jpg

Fig.5

Fig.6 LuxR mutant

Fig.7

Fig.8

実験 #1 シグナル分子の部分的な分解 実験 #2 バランシングプレーヤー 実験 #3 Lux変異体 Exp #4 外国人-->日本人 Exp #5 日本人-->外国人


コンクルージョン